目撃情報

現代民話考〈1〉河童・天狗・神かくし (ちくま文庫)

現代民話考〈1〉河童・天狗・神かくし (ちくま文庫)

おいらは、やはり、ジャパニーズ・スーフィーに、なるね。
イスラムではなくて、日本神秘主義者。

この本によると、
天狗自身の目撃情報は少なくて、
例えばとてつもない風、倒木、笛、笑い声等、音の体験談が多い。

河童はね、ほぼ全てが目撃情報だ。
九頭竜川の一件は、感動さえ覚えた。

九頭竜川に棲む河童がね、
その流域にある村の人に、
「この川の水は、恐ろしい。」と、告げた。
「きっと、お前たちにも悪い水だ。」と。

その人は確かめに行ったんだけど、見た目は変わらず、美しい流れだったそうだ。

この話を、大学の民話研究の学生が耳にして、川の調査をした。

上流の鉱山から、カドミウムが漏れていたらしい。

そして汚染源を修復して、補償も行われたそうだ。

村人は、山に向かって御礼を叫んだが、
「100年たったら、戻ってくる。」と、河童に言われたそうだ。

河童は、本州だけではなく、北海道から沖縄まで、
全ての地域に目撃情報が存在している。

こういった本のような研究者に敬意を表する。

日本の物語は、なにか、とても素敵だ。