数々の神様達

アコースティック・ギターを手にした人の多くが通り過ぎたであろう「禁じられた遊び

でね、もうちょっとたってから出会うのが、「アンジー

俺にとって、小学校6年当時のギターの神様は”Paul Simon"でした。

これも大変に美しいギターでした。
で、中学に上がって、ビートルズ、クイーン、ビリー・ジョエルと、段々歌うほうがメインになってしまって、フィンガー・スタイルとは縁遠くなってしまったが、大学のある弱小音楽サークルに入ると、そこで大きな出会いがあった。
その当時、「ゴンザレス井野」という、プロレスのリングネームみたいなステージネームで、新宿のパワー・ステーションというライヴ・ハウスなどで活動されていた井野さんでした。
その人は、Rick RuskinやChet Atkins、Tommy Emmanuel、中川イサトさんなどのコピーと、オリジナル曲でライブ活動をされていて、俺には殆どプロのプレーヤーに見えていました。
井野さんは決して人前では練習しない人でした。当然と言えば当然ですが、俺達は、同じサークルの仲間であると同時に、ライバル関係にもある訳で、敵に与える情報は少ないほうが良かったはずですから。
でも、井野さんには大変お世話になり、貴重な音源やTABを貰ったりして、俺は殆ど寝る暇も惜しんでギターを練習するという状態になりました。だから、その頃の神様は、井野さんでしたね。
その当時は、フィンガー・スタイルという言葉は市民権を得ておらず、俺たちはソロ・ギターのインストを総称して、ラグタイム・ギターと呼んでいました。

そのころは、俺もなんとか人前でギター・ソロの真似事が出来るようになって、対バン(複数のバンドが集まってライブを行う)形式のライブ・ハウスなどに出たりしてました。もちろん、ギャラが発生するわけもなく、チケットを割り当てられて、その支払いの殆どが自分の持ち出しという状況でしたが。

でもね、とても楽しい思い出ばかりで、自分の出番を裏口で待っている皆のなかで、俺だけポツリと独りなわけ。
他のバンドは、へヴィメタやパンクのバンドなんかでさ、結構コワモテのにいちゃん達なのさ。出待ちの時間て、緊張と興奮が入り混じって、結構皆ハイテンションで喋ったりしてんのさ。タバコ吸ったりね。
俺はその日の演目に関わらず、指慣らしとしてRick Ruskinの

を弾いてたんだけど、その集まってる片隅でこれをやり始めるとさ、段々話が止んできて、皆の視線が集まってくるのが分かるんだ。グーッと入ってくるの。
でね、弾き終えるとさ、コワモテのにーちゃんがさ、「いやー、うまいっすねー。なんていうジャンルなんすかー?」とか話しかけてきてさ、「いやいや、俺はまだまだ練習中でね、ラグタイム・ギターって言うらしいんですよー。」とか答えてた。
ギター弾いてるひとにはね、わかるんだよね、ジャンルを超えて。

そこがフィンガー・スタイルの大きな魅力だと、俺は思っています。
んで、20年を経たいまでも、ギター弾いてます。もちろん、自分の為にね^^。
ほんとに、楽しいよ。

=====フィンガー・スタイル・ギター普及委員会(嘘^^)=========