ネグレクト/ドメスティック・ヴァイオレンス その3

さてここで、ネグレクト/ドメスティック・ヴァイオレンスを定義しておきましょう。
色々な考え方が出来るでしょうが、単純に一つの見方をします。

「密室及び密室化した組織内で起こる人間の本能の現れとしての暴力。」

ネグレクトとドメスティック・ヴァイオレンスをひと括りにしているのは、
純化してひとつの見方でまとめて考えている為です。
しかし見方を単純にすると、これを一般社会に適用する場合様々な場所、場合にあてはめることが出来ます。
家庭という密室で起こる暴力。学校で起こる暴力。会社で起こる暴力。官僚組織のような、組織内で起こる暴力。
社会、国家、世界、地球、宇宙、あらゆる場所で、
その場所がその周りの世界との関係を失い、閉ざされた密室のような場所となってしまえば、
必ずと言っていいほど「人間の本能」が剥き出しになって、様様な暴力が産み出されます。
あまり大きく話を広げると収集がつかなくなるので、
家庭、学校、会社ぐらいまでで、話をとどめます。

誰も見ていないと、まぁ殆どの人が好き勝手な行動を起こします。
もちろん私がそうだからといって、皆がそうだとは言えませんね。
「少しそういった傾向が見られる。」程度のことは、あるのではないでしょうか。
だらしがなくなったり、ゴミを道端に放ってみたり、
夜中の横断歩道で信号を無視したり、
車を運転すると急に性格が変わってしまったり、
誰かが見ていたら絶対にしない行動や衝動が、密室内で起こってきます。
車はやや性格が違うかもしれませんが、一種の密室であると言えます。

「いけない」と分っていながら、誰も見てないとやるんですね。
悲しいかな、人間ってそういうもんだと私は考えます。
制限、抑圧といったものから開放されたくて、
見られてないと、つい、犯罪と言われない程度のことはね、まぁ仕方ないでしょう。
酒や煙草だって(私は両方とも好きですが)、
こんなもの、体にとって良いことはひとつとして無いでしょう。
精神には、良いですね。間違いなく、実感がありますから。
体も、精神も、両方が私であるので、精神だって壊れてしまえば大変です。
バランスをとるものは、何かしら必要でしょう。
中毒性の高いドラッグも、
例えば末期がん患者の痛みの緩和の為の投与のようにコントロールして使えば、中毒症状は起こしません。
必要があって使えば大丈夫で、依存するから、だめになってしまうのです。
酒や煙草も依存性があるので、
必ずコントロールしなくちゃだめですね。
頼ったらだめです。楽しまないと。

話がそれてしまいましたが、
もう少し、このあたりから話を展開させてみたいと思います。

==============see you next===============

あとがき
何故こんなことをずっと書いているのかというと、
娘の同級生の家庭で、ほぼ間違いなくネグレクトが始まってしまっているからです。
あまり詳しく書くと差し障りがあるといけないので書けませんが、
とりあえず娘と私でよく話し合って、
「その子の話を良く聞いてあげて欲しい。」と、言っておきました。
もし何も話さなくなって、その子自身が周りの社会から身を閉ざしてしまうと、
いよいよ深刻な状況が訪れるでしょう。
娘を通じてその子がガス抜きをしていてくれれば、まだましであると思っています。
私は専門家でもなんでもないので、適当なことも言えないし、
しかし現実に起こっている問題をどう考えたらいいのか、
この場所で頭をひねくりまわして、格闘しているわけです。
ほんとうは、そのご家族が専門家のカウンセリングみたいなものを受けるべきだと思いますが、
さて、なかなかそんなことを他人が勧められるものではありません。
ご本人達が、自身の状況に気付いてくれることを願うばかりです。