思考方向の変化

最近、頭の使い方がかなり変わった気がする。

実感として現われているのが、良い本や、よい意見、
つまり、自分の思考方向を変えるようなものに出会うタイミングが、
以前よりも速くなっている。

今読んでいる本は、ホントに素晴らしい発見に満ちているというか、
普段自分が考えている疑問が、かなりそのままに提示され、回答されている。

グルジェフという人が書いたものだ。

素敵なんだ。オクターブを使って世界を表現したり。
音階の持つ意味とか。

蝶に関する表現がある。
勿論、蝶の完全変態を象徴として、
難しい何かを表現しているのだけれど、

卵。幼虫。蛹。成虫。交配。卵。
卵が孵って、幼虫となり、やがて蛹を造って、蝶となり、試練を乗り越えて異性と出会い、
交配して、卵を産む。

僕は、それは連続しているものだと考えていた。

グルジェフは、
卵が死んで、幼虫に生まれ変わり、
蛹の中で幼虫が死んで、蝶として生まれ変わり、
交配して蝶は死に、
卵に還るのだと言う。

言葉の不完全さの為に、普段は多くを語らない。
勿論、彼の考える前提を共有できる場合に限り、
必要であればいくらでも語り合う。

相手に必要な分しか、しかも相手の能力に合わせた言葉でしか、語らない。

そうだよな。これは相手に対して、真摯な態度だろう。

語っている内容が、
とても静かで美しい、
ある種の音楽のように思える。

図書館で借りてきたこの本に出会い、
この本の姿から想像するに、ある程度多くの人に、読まれているようだ。

俺は誰かの手を経てきた本のほうが、好きだ。
旅をしてきた本のほうが、好きだ。

僕はかなり多くの時間、ある種の答えを探して考えていたけど、
結論に近い感覚として、
追い求めてはいけないという感覚が産まれて来た。

必要な答えならば、
向こう側から訪れるはずだ。
それに気が付くかどうかが、勝負の境界線だ。

精神的なシンクロは、
何事に対しても、誰に対しても、実在している。

またお前はそんなオカルトじみた事を言うといわれても仕方ない。

お前は自分勝手にフォーカスを絞って、
繋がりを捜し求めているだけだと。

アルファロメオが気になった瞬間から、
街に意外と多くのアルファロメオが走っているのを見ているだけだと。

さて、そうだろうか。
逆に考えれば、
繋がりに無関心なので、
繋がりが見えていないだけじゃないか。

どの道、正解など存在しないのだ。

ビッグバン宇宙という考え方が主流となっているだけで、
静止する宇宙という考え方も間違いとは決して言えないし、

進化論というひとつの読み物は素晴らしいと思うけど、
「いえ、神が創造されたのです。」と言われれば、
そうだろう。

ただ、情報を隠しながら、一方的に自分の考えを押し付けるのは、良くない。

全部曝け出して、「はい、どうですか」というのが、いさぎよい。

右手に聖典を掲げて、左手に機関銃を、しかもトリガーに指をかけながら、
「俺が正しい」などと言うのは、

よし、言い切ろう。
それは、間違っている。
これは、正解だ。