エヴァンスのソロアルバム

Alone Alone
エヴァンスによる、ソロです。
美しい音楽というものを再認識できます、確実に。
内なる自己を見つめ直し、普遍的な真実を探求することを哲学と定義するならば、このアルバムに音楽における哲学を発見できます。
プレーヤーがお互いの意図するものを理解し、そこから産み出されるフレーズを対話するように演奏する事によってその境地を表現してきたエヴァンス。
しかしこのアルバムでは、おのれの心に全てを問いかけ、またその答えの全てをおのれの中より導き出す事で、悲しくも美しい演奏が繰り広げられています。
激しく内省的である為、鬱状態の方にはお勧めできませんが、私は自分を奮い立たせるためにも、よくこのアルバムを聴きます。
もちろん聴くたびに心の中に新たな痛みが走り、またその為に辛いことを思い出してしまう事もあります。
しかし、自分を見つめなおすことでしか、新しい一歩を踏み出す事はできないはずです。
全てのピアノファンのバイブルとも言うべき、この一枚。