徳永英明

VOCALIST (通常盤)

VOCALIST (通常盤)

1.時代
 中島みゆきさんの一番の魅力は、歌唱法も含めたその声ということになるのでしょうか。時代を背負ったアーティストの一人であることは疑いようもなく、デヴュー以来現在に至るまで、御自身のシンガーとしての活動のみならず、ソングライターとしてもトップの地位を築き、守り続けています。最近TOKIOさんに提供された”宙船”でも、長瀬さんの唄のうまさを見事に引き出しただけでなく、詞、曲とも圧倒的な存在感を示していました。
 さて、この曲は中島さんの初期の代表曲ですが、徳永さんは歌唱、アレンジ共に、原曲よりマイルドなタッチで表現されています。


2.ハナミズキ
 壊れそうな想いを手のひらに優しく包み込むような一青窈さんの唄で、多くの人達の心を慰めてくれた曲です。私は何故かこの曲を聴くと、淡い彩色を施した水墨画が目に浮かんできます。”君と好きな人が〜〜”という部分の、詞のメロディーへの対応のさせかたが、どきっとします^^。んなとこに興味持つ奴も珍しいか、(⌒▽⌒)アハハ!


3.駅
 私は、竹内まりやさんの詞の世界があまり好きではないのです、ファンの方には、どうもごめんなさい<(_ _)>。夫、山下達郎さんとのコンビは、ユーミン松任谷正隆さんのコンビと並び、音楽的に鉄壁と言えるカップルであります。まさに内野ゴロではセンター前には抜かせないという二遊間といったところでしょうか。(どんな例えじゃ^^)


4.異邦人
 久保田早紀さんという、彗星のごとく現れ彗星のごとく消えていったアーティストでした。しかし凄まじいヒットぶりで、朝から晩までメディアから流れておりました。
 さてこのアルバムではアレンジに二胡が使用され、さらに異国情緒を増しています。原曲で私はなんとなく中近東側のアジアをイメージしていましたが、二胡の力によってここではシルクロードでも中国に近い方のアジア大陸が感じられるようです。


5.シルエット・ロマンス
 大橋純子さんが物凄い声量で謳い上げたアダルトな香り満載の曲でした。来生えつこ・たかお姉弟の作品は当時大ヒットを連発し、大人な詞の世界と大人なコード進行で、私は「日本版A・O・R(アダルト・オリエンテッド・ロック)だなぁ〜〜」と勝手に思ったりしていました。大学時代所属していた作曲サークルで、先輩(女性)が近視眼特有の潤んだ大きな瞳で私の心の中まで覗き込むようにしながら「たかおさんてね、m7♭5(マイナーセブンフラットファイブ)の魔術師なのよ・・・」などとのたまうと、話はそっちのけで襟を立てた真っ白なブラウスの際どく開いた胸元に光る小さなプラチナのクロスに心を奪われ、名も知らぬ彼女の香水の匂いに意識は遠のき、目を開けたまま気絶していたのでした。。。。。。アホ^^


6.LOVE LOVE LOVE
 この曲って、ドリカムファンの間での支持率は相当高いみたいだなぁ〜。私はどっちかというと未来予想図Ⅱ派だなぁ〜。以上。。。って手抜きだ^^


7.秋桜
 山口百恵さん本人のイメージと見事に重なり、日本の静かで美しい情緒を完璧に描き切ったと言えるこの曲。その詞が紡いでゆくストーリーはまるで映画や小説のようでもあります。ヴァイオリンを愛するさだ・まさしさんならではの美しく繊細なメロディーラインと共に、きっとこれからも多くの人達に歌い継がれていくことでしょう。


8.涙そうそう
 私はこの曲がヒットした理由は詞にあると思うんですが、どうですかね。曲のほうは、あまりに単純過ぎるというか、童謡みたいというか、民謡そのものみたいというか。。。でも、そこが良い所なのかな。音楽の教科書向き。以上。。。。。やっぱ手抜きか^^


9.オリビアを聴きながら
 杏里さんが唄ってヒットしましたが、ライターである尾崎亜美さん自身の唄も素敵です。高校生時代に音楽の授業の発表で、可愛かった同級生がこれを唄い、それが一番だったと、思い出します。。。。。アホ^^ところで、オリビアって、オリビアニュートンジョンのこと?誰か教えて〜〜^^


10.ダンスはうまく踊れない
 この曲は異彩を放っています。リズム・メロディー・構成どれをとっても、日本でヒットするタイプの曲とは一線を画していると思うのです。この鼻歌みたいな(悪い意味では無く)突き放した感じが唄っていた女優さんにピッタリとはまって、大ヒットしました。って、誰だったっけなぁ〜唄ってたの。。。


11.会いたい
 ある日仕事で車を走らせながら聴いていたFM局から、この曲が流れてきました。何気なく聴いていると、やがて車の運転を誤るくらいの衝撃を受けたのでした。「あなた〜夢のように、死んでしま〜ったの〜〜〜」って、おーい、死んじゃったのかよ〜〜ってね。そこから続くこの曲の物語は、全編慟哭とも言うべき恋人の突然の死から取り残された彼女の大きな嘆きであり、全てが「会いたい」という一つの言葉に集約されて行くのでした。
 これ程までにはっきりと直接的に死というものを唄った曲を、私は他に知りません。しかし、はて???と、私は感じるのです。ここからは少し批判ぽいので、この曲をとても大切にしている方は、読み飛ばしてください。
 恋人、肉親、友人、ペット。自分の人生の係わりの中で、突然にその全存在が失われてしまうという死が、悲しくないはずはありません。最近のドラマや映画でも、不治の病から死へと至るような題材を扱うものが、異常に多いような気がします。それってさ、泣けちゃうにきまってるじゃん。まぁ、せめてドキュメンタリー(ノンフィクション)であるならば、許せるところもあるかとは思いますが。
 そういった死というものを、映像や音楽で演出して行くというのは、それって許されるのかなぁ〜〜って。
 現実に、自身や周りの死に直面し、経験している人達にとって、その作品は救いや慰めとなるのだろうか。
 そして、この曲ですが、大ヒットして多くのメディアから流れる度に、辛い思い出を蘇えらせられて、心に新たな傷を刻んでしまうことは、ないんだろうか。
 悲しみを乗り越えるには、忘れることが重要な要素であると、私は考えます。客観的に、「あぁ、そんなことも、あったな。」って見詰められるようになるまで、忘れることが必要だと。
 私はそんな立場から、この曲には批判的にならざるを得ないのです。。。


12.翼をください
 これは何故か中学校の運動会の、組み体操のBGMでした。日本フォーク界における伝説的存在である「五つの赤い風船」ですが、残念ながら私はこの曲以外の彼らの活動を知りません。よく、混声四部合唱の練習曲としても、使われますな^^
 改めて聴くと、ちょっとゴスペルみたいな感じもして、いいもんだな〜〜^^


13.卒業写真
 荒井由美さん時代の、ユーミンの曲ですが、五つの赤い風船のメインヴォーカルの女性(名前忘れた)に提供されて、ヒットしました。ところでユーミンさんは、デヴュー当時、シンガーとしては売れないと、自分を評価していたそうです。自分の声のキーが低すぎることと、ビブラートがチリメン(男性で言えば坂本九さんのように、細かいピッチの歌声の震わせかたのこと)であることなど。しかしどうでしょう、そんなことは無く、現在に至るまでトップを走り続けています。時代の先端を切り取るその感性は多くの同性のファンの心を掴んでいます。カリスマ的なアーティストと呼ばれる人って、必ず同性のファンが多いものであると、私は思います。


さて、以上で全曲終わり。こんなに一度にたくさんの文章を書いたの、久々だなぁ〜〜。あ〜〜ちかれた^^
次回はVOCALISTⅡの全曲解説に挑戦の予定です。