至福の音楽 アランフェス協奏曲withパコ・デ・ルシア


優雅 繊細 絶望 淫靡 官能 荒涼 濃密 
このサウンドは五感のすべてを刺激する。そう、匂いさえも。
熱帯の深い森の奥に漂う湿度を含んだ風の匂い。
絶望の淵にみえる僅かな希望。
嘘のように緻密かつ大胆、正確なパッセージは、多くの音を辿りながら一種の静寂を感じさせる。
心に潜ませた大きな哀しみが奏でる木管達の息遣い。
それはため息と言うのか。

まぁ、鬱状態の人には薦められんな。
死にたくなっちまう。
孤独な夜。キャンドルライト。大きめのグラスに三分の一ほど注がれた血の色のワイン。
サウンドに溶け込んでみるのも、たまにはいいもんだな。 

=======おしまい=======