志ん生、語る
- 作者: 岡本和明
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
美津子さん、馬生さん、志ん朝さんの話がね。読む前に、少しは知っていたけどね。
馬生さん55歳。志ん朝さん63歳。
志ん生襲名が叶わなかった一家の無念さは、どんなもんだろう。
馬生さんのときには、志ん生さんが天国で、
「あ、おめぇはもうこっちに来ちまったのか。
ったく仕方のねぇ奴だなぁ、まぁ、一杯飲みねぇな。ちびちび飲むんなら、また下に叩き返すからグッとやりなぁね。」
ってな感じで、
こっちで一杯やるのも仕方ないかと思ったかも知れないが、志ん朝さんまでがね。そっちに行っちゃうなんてねぇ。
「あああ、なんだよおめぇはぁ。まだまだこっちに来ちゃいけねえぜ?
ひよっこのくせしやがって、
なんたってまぁこんなとこまできやがって、ちきしょう。
俺は勘弁ならねぇもんは、勘弁しねぇからなぁ。」
って、背を向けて堪えてる内に、オイオイ声あげて泣いたろうなぁ。
「なんだってんだ、おめぇは、こんちきしょう、ちきしょう、チキショォォォオオおおおお・・・・・・」
こん平さんの話も、良かったなぁ。
これからもう少し志ん生さんの本を読むつもりだけど、また泣くんだろうな。
非常に不謹慎な話ですが、
歌舞伎の世界から大看板が二人も亡くなったのは、
談志さんが連れてっちゃったんじゃないのかなぁ。
震災でたくさんお客(これも非常に不謹慎な表現ですが)が向こうに行っちゃったんで、
談志さんが、
「おいおい、こんなに来ちゃったんじゃ俺だけじゃ間に合わないよ。お前早くこっちに来い。」
「あたしだけじゃ心配なんで、もう一人連れてきますからぁ。」
なんか、そういうことって、あるような感じがするんですよねぇ。