俺が起こしたデジャヴ?

まぁ、不思議な体験をしたので、書かずにはいられない。
お前はそんなことばかり書いていると言われても、事実だから仕方がない。

ある日の夕方、仕事を終えてかみさんの実家に向かう途中、
なんの気無しに、いつもと違うルートで行ってみようかという気になって、
大江戸線両国駅に向かって歩いていた。
勿論、その駅を使うのも、その道を歩くのも、産まれて初めてだ。

途中に珍しいモノを売る店があって、
「はぁ、こんなものを売ってる店が、こんなとこにあるのかぁ。」
と思って、ちょっと店の中を窺うように歩いていた時、それが起こった。

何を売っていたかを書いてしまうと、まぁ別に問題無いけど店が特定されてしまうので、
取り敢えず伏せます。それ程に、かなり特殊なものである。

店主と思われる老人に、中から声を掛けられたのだ。

「ちょっとあんた、今朝から何度もうちの店の前を通っているけど、何かあるのかい?」

へ?何何?そんな馬鹿な。

「いやそんなはずはないんですけどねぇ。僕はこの道を歩くこと自体、初めてだし。」

「馬鹿言っちゃいけないよ、あんた何度もそうやって店の中を見てたじゃないか。」

「なんか弁解するみたいだけど、とにかく初めてなんですがねぇ。おかしいなぁ。」

その場から立ち去った。

それからずっとこの問題を考えていたんだけど、
これは俺がその店主の脳にデジャヴを起こしたということになるのではないかという結論。

以前にも書いた不思議な体験は、僕の場合は、必ず誰か他人を巻き込んでいる。
夢で見た馬券は知り合いに頼んで買って来て貰ったもので、
多分22万円弱だったと思うが、僕は20万だけを受け取って、残りをその人にあげた。
その人の脳に、必ず深く記憶に刻まれたはずだ。

大学入試の問題は、友人の口から発せられたもので、
もし彼が正確にそのことを思い出してくれれば、その年の明治大学文学部の過去問題集を見れば、
本当にその問題が出題されたことが証明されるだろう。

これはまだ書いていないが、
かみさんと初めて出会った時から、その後に起こった不思議な結びつけは、
彼女も不思議だと言っていた。ふたりの間にはお互いに検証されている出来事が、あった。
彼女との出会いさえ、その関係性は非常に薄いものから発しており、
何というか、不思議なのだ。
子供が二人産まれてくることも判っていたし、
その名前も、決まっていた。

で、その全体を考えた時に、
何かが僕に気付かせようとしていることがあり、
それは本当に、簡単に起こることなのだということ僕にを納得させる為に、
僕以外の誰かを巻き込んでいるのではないかという、結論。

脳と自分の意識との間にはタイムラグがあって、
そのタイムラグの感じ方には人それぞれ、他の生き物それぞれ、物質それぞれ、
世界に存在するものそれぞれにあって、
長く感じられたり、短く、瞬間のように感じられたり、
その時間は自由に伸び縮みしてる。現実的に伸縮している。

そしてそのタイムラグの間に起こっていることは共鳴している。

僕が僕の脳を観察しているのと全く同じように他人の脳も観察していて、
意識レベルでは、僕と他人、僕と周りの世界に境界線は、無い。

僕の意識とおなじように、周りの世界は僕の脳を観察しているであろうし、
やはり境界線が無いことを同時に意味していて、全部が一体であるだろうという、結論。

自殺は、本当にいけないことだというのが、切実な実感。
それは、やってはいけない殺人なのだ。

自分が、自然にありのままに生きようとするその生命活動を、
自分の意識が意のままにに終了させようとすることは、
他人を殺すことより、
罪は遥かに深い。一番簡単な殺人であるから。なにせ、直接被害者は自分自身。家族や友人を無視すればね。
これは、怖い。

自然に産まれ、自然に死んで、周りの世界に自然に戻るというのが、あたりまえの自然。