さくらももこさんのエッセイ

さくらももこさんは、ちびまる子ちゃんを描いた人である。
その人は、エッセイをいっぱい書いてもいる。
是非とも、たくさんの方達に読んでもらいたい本である。

ちびまる子ちゃんは、さくらさんが漫画家デビューを目指して漫画雑誌に投稿を繰り返しながら、
いわゆる恋愛少女漫画ではなく、
日常的な心の動きを漫画で描くという漫画エッセイ的に勝負しようと決心し、その結果産み出された漫画なのだ。
画力のことは僕はよく解らないが、
例えば「ベルサイユの薔薇」みたいな画を描けと言われたならば、
おそらくさくらさんは描けるはずだ。と言うか、それが出来ない漫画家は存在しないだろう。
オリジナリティーを発揮してたどり着いた、ちびまる子ちゃんの画なのである。

ちびまる子ちゃんを見て、
老成されたと言ってもいい視点の乾き、ギャグを放つタイミング、
古今亭志ん生そのものだ。飛躍しすぎか。
いやしかし、これは、落語だ。

その人が書いたエッセイが、つまらないはずが、無い。

電車などの、他人の眼が多い場所で読んではいけない。
読みながら、吹き出してしまう可能性が高いのいだ。
涙が誘発される場合も、多い。
近々読んだ「さるのこしかけ」の、”いさお君がいた日々”は、
さくらさんと同じように、僕は嗚咽を堪え切れなかった。
最初の、”痔の疑いのある尻”で、数回吹き出してしまったにもかかわらずに。

そういえば以前読んだ本の中の、お姉さんの水虫の話は、腹抱えて笑った。

いさお君の感性に魂の発動を得たさくらさんの表現に、
同様に己の魂を発動させる読者は多いはずである。
少しだけネタばらしをするが、いさお君は、特殊学級に通っていた生徒である。

僕は、まだ5冊くらいしか読んでいないが、この後、可能な限り多く読む。
図書館にある分は、少なくとも、全部。

日常的になってしまったな悲しい事件、出来事に、

さくらさんのような存在が無ければ、

耐え切れない。

ありがとう、さくらももこさん。