無法地帯

非常に悪意ある文章なので、ご注意下さい。

自分の欲望を欲望のままにあらん限り撒き散らしたい。
殺人、虐待、自殺、強姦、ただ叫びたいとか、戦争したいとか、そういったものでもいい。
なんでもいい。他人に邪魔される事なく思い通りに自分の欲望を満たしたい。
そういう人達に、一つ、理想郷を提供したい。

「無法地帯」という、ジャングル。

現実的には、造れるはずもないので、想像上の世界。それでいいだろう。

ビルでも、土地でも、島でも、なんでもいい。一つの家でもいいか。
外部から完全に遮断されている一定の場所があればいい。
しかも、そこは食料等、人間が一般的に生きていく為のものは、用意されている。

そこには、如何なる規制も無い。剥き出しの自分でいられる場所だ。
しかし、あなた以外の誰かも、剥き出しの他人である。
そこに行きたい人、どうぞ集まれ。

あなた以外、誰もその理想郷に入らなかったとすると、
あなたはそこでたった一人きりで、欲望を満たさなければならない。

何する?死んじゃうか、めんどくさいから。

さて、二人以上がそこに入ってしまったら、どうしようか。
殺したいと思っている人は、同時に誰かに殺されようとしているかも知れない。
自殺したいと思っている人は、誰かが必死であなたを生かそうするかも知れない。
真に自殺したい人にとって、助ける人は邪魔な存在になる。

みんな、そこに入ったら、何とか自分の身を隠そうとするんじゃないか?
一歩踏み出す勇気をもてるだろうか。

みんなで牽制しあって、身動き取れなくなるんじゃないか?

それとも、自分の欲望は完全に押し殺して、握手しあうのか?

そこは、無法地帯なのに?

平和が訪れてしまうのか。戦争を求めてそこに来たのに。

僕は、その理想郷は、そうなると考えている。
しかし、その理想郷には、自由は、無い。
誰かがふと一歩踏み出した瞬間から、混沌とした猛烈な暴力世界に陥るからだ。
強烈な抑圧がかかる世界になるはずだと、僕は想像している。

僕は本当の所はわからないのだが、
僕の知り得る知識内では、例えば自爆テロをする人などは、
宗教的に、自爆後、生まれ変わって、或いは魂が、天国という
僕が考えている以外の理想郷に行く事が保障されるらしい。

それは、それで、構わないが、
そういった犯罪的行為を実行してしまう人間には、一言文句がある。

自分の死後の、よくわからないことは自分の理解内で保障しておきながら、
勝手に他人の命を奪うとか、それに近い迷惑をかけるとか、
そんな馬鹿な話は無いだろう。

自分も、わけもわからないまま殺されてもいいとか、犯されてもいいとか、
その迷惑を引き受けるなら、話に乗ろう。

50対50でなければ、絶対にそこは譲れない。

自爆テロみたいな大きな話じゃなくてもいいんだ。いじめでも、いいや。

自分が行ういじめを、そのまま自分が受けても構わないというなら、
それでも良い。
たぶんそれは、喧嘩だ。いじめってのは、ちょっと違うんだ。
50対50の関係が壊れた人間関係を造りたい誰かがいた時に、
あらゆる閉鎖空間にいじめが現われる。大人の関係でも、一緒なんだ。

殺人したい奴は、リング内で、本当に殺しあうが良い。お互いが自発的であるならば。

自分の責任を負わずに、
誰かに一方的に迷惑をかけたがる人達。

それは、無法地帯に、行くべし。
真に臆病なのは、そちらのほうなのだ。自分に迷惑がかかることは引き受けられないくせに。

僕は、挫折を飲み込みながらさらなる挫折的傾向を受け止め、
生活という決定的な困難に挑戦しようとする一般的なサラリーマンであって、
そういった面倒くさい努力をしない人達が自殺しようが、僕には本来関係ない。

せめて、電車に飛び込むのはやめてくれ。時間が遅れて、混雑して困るんだ。
自爆テロじゃなくて、それは自殺テロだ。
静かに、どこか迷惑のかからない場所で、静かに死んでくれ。