ロバート・B・パーカー

スペンサー・シリーズの最新作であり、かつ最終作を読み終えた。
完結した訳ではない。作者が亡くなったからだ。
亡くなったのは数年前なので、この日を迎える事は判っていた。
シリーズとして読んでいた本の作者が途中で亡くなったのは、
星新一さんと、パーカーのみである。
星さんの場合は、シリーズというわけじゃないけど。

最終作ではニュー・ヒーローの誕生が予感されており、非常に残念ではある。
ホークが長期出張中であったのも、残念だ。

残されたかもしれないプロットや書きかけの原稿を元に、書き継がれる作品もあるだろう。
ホークから、まさかのS・O・Sが発信される事さえ期待できていたのに。
新米と共に救出に向かうスペンサー。残念だ。

でも、取り敢えず、お別れだ。

さよなら、スペンサー。
さよなら、ホーク。
さよなら、ヘンリー。
さよなら、クワーク、ベルソン、リー。
さよなら、トニー。ブロス。タイ・ボップ。ヴィニィ。チョヨ。
さよなら、もう思い出せない者達。

さよなら、スーザン。
さよなら、リタ。
さよなら、レイチェル。
さよなら、記憶の中の女達。

僕は君達から非常に多くのものを学び、その多くは信念と化し、
君達との係わりを夢見た。

僕の生きる姿勢は、君達によって骨格を与えられた。ポールや、シックスキルと同じように。

涙が止まらない。

今この瞬間に、君達が与えてくれた確信が甦るからだろう。

ありがとう、スペンサー。

ありがとう、パーカー。

喪失は、いつも必ず、男をうちのめす。


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