小学生

朝の通勤時間が一定で、
電車などの公共交通機関を使って一定の通勤場所に向かう人の殆どが経験していると思うが、
大体同じ人が乗っている。
座る場所なども、大体決まっている。立ち位置なども、あんまし変わらない。
何故なら、僕がそうだから。

僕は必ず音楽を聴いているが、聴きながら周りをチラ見したり、本を読んだりしている。

その電車の中で、気になる小学生がいる。
その小学生は、熱心に辞書を読んでいる。
これは素敵だと思う。普通の本じゃなく、辞書なのだ。

その辞書には、色とりどりの付箋がはさんである。
おそらく、その少年なりの規則に従って色が決められて、
興味を持った単語などに対して、そのページに付箋を貼っているのだろう。

付箋は、かなりの量でもある。

ああ、こうして頭の良い人間が出来上がっていくのかなぁと、
ほんとに感心してしまう。

だいたい、頭の良い人は、頭が良くなる成分を周囲から集め続けているのだと思う。

美人も、そうだ。かっこいい奴も、そうだろう。そうなる成分を、集め続ける。

自然に、当たり前に、集め続けるのだろう。
恐らく、最初の一撃を与えられた後は、
本人も気付かず、自然に、当たり前に、そうなっていくのだと思う。

どんどん頭は良くなり、どんどん綺麗に、かっこ良くなる。

最初の一撃は、教育なのか、天啓なのか、偶然なのか、それともそれ以外の何かか。
全く判らないが、一撃はあるのだと思う。

とりあえず、そういった素敵な成分をどんどん失っていくサイクルに陥るのは避けたい。

頭が良いも、美人も、かっこいいも、
実体は無いのかもしれないが、
それを追い求めたい自分がいる以上、避けられるものは避けたい。
自分から素敵な成分の消失サイクルの穴に飛び込んでしまうのは、避けたいと思うのだけれど。

どういった穴に向かっているのかは、自分では判らないだろう。
どうしても、誰かの視線が必要な気がする。

一撃を、見逃さない態度も、必要だろう。

既に見逃してしまったか。。。。。

まだ与えられていないと、信じたい。
見逃してしまっているのなら、次の一撃を待ちたい。
一生、待つことになるとしてもだ。

============おしまい==============