音叉

A−440
恐らく中学一年の時に買ったものだ。

二度買った覚えがないので、
その時以来、僕のの音楽的な基本的な音は、
この音叉が支えてくれたはずだ。

ギターのA音を合わせることは勿論。

楽曲のキーを知っている曲は、
歌もこの音叉をもとに練習する。

音叉を叩いて、こめかみに当てる。又は、耳の穴に近づける。
場合によれば、音叉の球を耳に挿す。

不思議なのだけれど、
これが基本の音だと納得してしまうのだ。

ギターのチューニングをしていると、
もう、それだけで、納得してしまうことがある。

響きを合わせる事。
なんという難しいことか。

オープンのAを弾いて、
オープンのEを弾く。

あれ、3弦が、微妙すぎる。

たぶん、僕のギターの、癖だ。

この弦を上げ過ぎてもだめだし、4弦にぴったり合わせると、オープンEの響きはややフラットに聴こえる。

もう、僕は何を考えているのかよくわからない。

それは、本当に素敵な作業で、
チューニングだけで、充分な気がしてしまう。

しかしだ、そうやって自分を誤魔化して、練習から目を背けてはならない。
それでは「一億の祈り」(村治佳織演奏。谷川公子作曲。渡辺香津美編曲)
には、届かない。

曲の理解は、だいぶ出来たと思う。聴き倒しているから。

これは、現代が産んだクラッシックとなるはずだと、僕は思うのだ。