オクターブと、音階

これがね、世界の法則だと、グルジェフが言うんだ。

僕は以前、ちらっと感じていたことがある。
音楽の、意味。
音の、意味。音階の、意味。和音の、意味。和音進行の、意味。そこに加わるリズム。

音楽が常に自分の中から湧き上がってくるのは何故なのかと真剣に考えていたし、
今もそうなのだ。

ドは、半音を経て、自然にレに向かい、
レは、同様にミに向う。

基本的に、この三つの音で、世界は回ると言う。
ファに向うには、外部からの衝撃が必要なのだと、言う。
半音が、無いから。

衝撃を受けて、ファにジャンプすれば、
自然にソ、ラ、シ、と進む。

ドレミと同様に、ソラシも、
ソラシだけで、世界は回ると言う。

普通、
進行する世界の最上の表現は、シなのだと、言う。

ミとファの関係と同様に、シとオクターブ上のドの間には半音が無い。

オクターブを超えるには、ミとファを超えるのとは全く違う、
大きな衝撃が必要なのだと、彼が言う。

僕は、音楽は世界を表現するのに、一番適していると考えてきた。
つまり、今生きている世界は、音楽そのものだろうと。

グルジェフという先人は、そうだと言ってくれた。書物の中で。

さて、そうなのだけれど。

僕は、何も産み出していない。
気付くことが、増えているだけだ。

でも、そのようにしか生きられない。もう、止まらないだろう。
徹底的に、増やしてやる。

その意気込みに正当性は、ある。
表現しない限り、他の誰にも、迷惑がかからないからだ。