Undercurrent

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ギターのJim HallとピアノのBill Evans。共にインタープレイの名手であり、時代が産み出した天才同士がデュエットすると、こんなにも素晴らしいものができあがるのだと云う事です。スローナンバーが中心ですが、そこにはぬるさのかけらもなく、お互いに正確無比なバッキングとソロを受け答えし続けています。
また、エヴァンスの演奏は充分にギターというものが意識され、実験的であるとも言えます。
"My Funny Valentine"では圧倒的なリズム感に支えられた非常にスリリングなプレイが展開され、聴く者に高度な緊張を与え続けます。
"Skating In Central Park"はエヴァンスが得意とするワルツであり、このアルバムにおける一服の清涼剤となっております。
"Romain"はギターのJim Hallの作曲による演奏で、私個人としてはこの曲が一押しです。ゆったりと、そして時に激しく、まるで大西洋の真ん中に浮かぶヨットのデッキで、セールを降ろし、独り夜空に映る星達や冷たく光る月をみているような、そんな光景を思い浮かべてしまいます。
このアルバムを聴くうちに、刻まれる時と己の存在する空間は無限へと拡大して行きます。

さぁ、皆さんもこのアルバムを聴きながら、悠久の時空間旅行へと、いざなわれてみてはいかかでしょうか^^