ロン・カーター

G線上のアリアG線上のアリア
ジャズ・ベースの大御所中の大御所ロン・カーターの一人多重録音によるベースのみのバッハ3重奏
バッハは多くのジャズ・プレーヤーによって取り上げられていますが、ジャズのルーツをバッハに求められているということなのでしょうか?
さて、聴き応えなのですが、クラシック畑の人が聴いたら、速攻でストップ・ボタンが押されてしまうこととなるでしょう。なんといっても音程はかなりアバウトで、それを弓で弾いて、しかもそれを重奏にしているのでかなりおも〜〜〜〜い仕上がりとなっております。ジャズでのプレイのように右指ではじいて弾いているほうが、やや聴きやすくなっております^^。これを聴いている横を何も知らないかみさんが通りかかり、「何これ?素人の演奏?」って何ということを言うんじゃ〜〜〜。。。でもそうとられても仕方ないところもあるかな〜。速いパッセージではないところもかなり甘い音程なので、これはある程度アバウトな感じを狙って演奏しているのではと、敢えて私は思いたい。繰り返し聴くうちに、重い十字架を背負うキリストの姿がうっすらとあらわれてくるような気がしてくる。
全ての音楽が神への祈りであった時代、おそらくバッハは導かれるようにしてその和音を構成し、音階を登っていったに違いありません。荘厳な教会での祈りではなく、ここでのロン・カーターは、村はずれの貧しい農家で、祈りを捧げる像さえもたず、代々伝えられてきた本当に粗末なロザリオを握り締めて、大地の恵みを祈る、そんなイメージで演奏を続けているように私には思えるのです。
明かりを消して、目を閉じて、ヘッドフォンで静か〜〜にこのアルバムを流すと、本当に敬虔な心を呼び覚まされ、とても穏やかな気持ちになれます。
そういった音楽も、たまに経験してみるのもまた一興^^
しかし、llllllρ(   )lllll まっくら〜  ということにもなる恐れが充分にありますので、ご注意^^