あえてフュージョンと呼んじゃう 吉田兄弟

MOVEMOVE
昨今、民謡界で大ブレイクがおきています。じょんがらです。若手プレーヤーが世界へとおおきく羽ばたき、吉田兄弟上妻宏光など、セールス的にも大成功を収めています。そういえば、昨年ハービー・ハンコックが来日し、上妻さんと共演されていました。
 このアルバムでは割とオーゾドックスなじょんがらを淡々と演奏されているように思いますが、古典的でありながら、そのリズム感は非常に現代的であり、本当に大きな可能性を内包しています。アメリカで行われたツアーも結構受けが良いとご本人達が手ごたえを感じているようなので、彼らのようなじょんがら奏者からグラミーなんかを取る人が生まれないかと、期待しています。
 で、これを聴いているうちに、俺は重要な認識違いをしていた事に気がつきました。以前ここのブログで、「日本民族の伝統音楽には3拍子的リズムが無い。」というニュアンスの文章を書いてしまいましたが、ここに深くお詫びするとともに、訂正します。
じょんがらは、完全に3拍子、しかも自由奔放で独創性豊かな拍子を表現されていました〜〜。曲弾き部分でも3連符が多用され、フラメンコに非常に近いイメージを受けます。弦を押さえている左指を大きくスライドさせて意識的に音程を揺らすところなども、ジャズにも負けない立派なアドリブプレイだと、思うのです。
じょんがらを産んだ津軽という地方の特殊性、それは大和朝廷(なんという古い話;;)成立以前の蝦夷民族のメンタリティーに南方系楽器の三線が融合して、かくも美しい音楽が誕生したのではないでしょうか。じょんがらの演奏の成り立ちは、プレーヤー達が力の限りを尽くして競い合い、即興演奏を相手を打ち負かすまで繰り返して聴衆が一番評価した最後の一人のみが栄誉を受けられるという方法で、その技術を高めてきました。そして今、たくさんの花が咲きつつあります。
 芸術は伝統と伝統が融合することで、さらなる洗練された結実をみることになるものだと、俺は考えます。
=========終わり========
おまけこれは、ロック三味線ですな。(⌒▽⌒)アハハ!