「空飛ぶトナカイ島 エピソード3」

☆トナカイ島通信所より、ヘンナの報告(from tonakaijima media center,Henna reports)の巻き

 皆さんこんにちは。雪だるまの、ヘンナです。
トナカイ島通信所より、報告いたします。(CNNキャスター風)
 空飛ぶトナカイ島には、とても大きな通信所があります。
そこには世界中からあらゆる情報が集められ、主席分析官であるサンタのグローリア様を中心に、世界中の子供達の動向と、「大切な心濃度」を観測しています。
 どのように情報が送られてくるかというと、主に「トンボのメガネカメラ」で撮影した映像を「コウモリ超音波ネット」や「木の根ット」に送って海岸まで届け、
そこからは海の中の「いかネット」を使って通信所に集めます。
光と音波を使った通信なので、とても高速です。
おそらく120Mbpsくらいは、軽く出ていると思います。
 ところで皆さんはいかの生態をご存知でしょうか。
いかは、暖かい海、冷たい海、浅い所、深い所、ありとあらゆる海に生息しています。
 そして高解像度の目を持ち、体を発光させることができます。いかはその能力を自分達の生活にいかしているだけではなく、私達の通信の為に提供してくれています。
それが「いかネット」なのです。
 その目で、見た映像や光信号を正確に読み取り、それをそのまま鏡に映すように体を発光させ、それをまた他のいかが読み取るということを繰り返して、
 世界中の海のどこからでも、トナカイ島まで情報を届けてくれているのです。
 そうして集められた情報を元に、今年のクリスマス・プレゼントの流行傾向などを予測し、必要な数を手配して、みなさんのおうちまでお届けしています。
 また、その数に応じて、トナカイ達の手配も行われます。
 なにしろ膨大な数なので、トナカイ島サテライト・センターはほぼ一年中目が廻る程の忙しさで、運輸局の課長のサンタ、グリーン様は「もうちょっと、なんとか、ならんかの〜〜。」と、一年中ぼやき続けておられます。
 あんまりぼやきすぎて、大切な歌の歌詞も、「なんとかならんかの〜〜。」と、間違えてしまうことまで、あるのです。
 こちらから「大切な心」を持つお子様たちに映像や音声をお届けする「きらきら星とお月様放送」については、またいずれの日か紹介することにしましょう。
 では、今日の報告を終わります。また、お会いしましょう。
 サンキュー(CNNのキャスター風^^)

======おしまい=======

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