近代史を学ばぬ不幸
また2冊読み終えました。
- 作者: 小室直樹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1985/11
- メディア: 新書
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この本は決して韓国という国を否定的に描くものではありません。
むしろ、何故日本が韓国となかなかうまく付き合うことが出来ないのか、
また、どうしたらお互いを理解しあえるようになるのかといった内容であって、
両国の発展的な関係の構築を目指す為に書かれたものです。
書かれていること全てを挙げることは出来ませんが、
例えば
日本は李退渓さんなど、日本に多くの知識や文化を与えてくれた朝鮮の人々への感謝を再認識すべきこと
日本は聖徳太子の時代、或いはそれ以前から
朝鮮を通じて主に中国の大陸文化や朝鮮の文化そのものを教えて貰ってきたこと
安重根さんが、何故伊藤博文を暗殺したのか、その背景と人物をきちんと理解すべきであり、
特に安さんは、韓国の為だけではなく、日本の為にその行為に及んだのだということを認識すべきであること
等が、挙げられている。
誤解のないように、一部分を抜粋します。
*明治43年2月9日、安重根は公判における最終意見において、伊藤殺害の目的について、「私は日本四千万、韓国二千万同胞のため、かつ日本天皇陛下および韓国皇帝陛下に忠義を尽くさんがために、今回の挙に出たのです」(中野 前掲書)と述べた。*
さて、韓国の抱える問題については、
韓国経済はインフレをテコにして更に大きな借り入れを行うことによって経済を発展させてきた面があり、
従ってインフレが止まると途端に借金が膨れ上がり、国家経済経営が困難になってしまうこと
両班(やんぱん)が特権を享受する階級社会が依然として根付いており、
日本とは根本的に違う意識に根ざす「同族」或いは「同族経営」の弊害によって、中小企業や人材が育ちにくいこと
等があげられています。
この本を読んだら韓国が理解出来るなどというつもりはありませんが、
何もわからないままでいるよりは、ずっとましであることは疑いようもありません。
小室先生が好んで使う表現を用いれば、
「韓国と日本の相互理解」の為に、
「この本を読むこと」は「必要条件」ではあるが、
しかし「十分条件」ではないかも知れない、といったところでしょうか(笑)。
- 作者: 小室直樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1981/11
- メディア: 単行本
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日本の政治家や官僚は、
キリスト教を元にした「契約」の概念を理解しないで列強外交に参戦しようとしている為に、
とんでもない外交上の間違い(違反)を犯し続けており、
アメリカの堪忍袋の緒が切れて日本を見放したら、もう日本はおしまいだということです。
ちなみに北方領土は第二次世界大戦の終了間際に、
ヤルタ会談で、
ルーズベルト(アメリカ)
チャーチル(イギリス)
スターリン(ソ連)
が戦後処理について話し合い、
チャーチルとスターリンは、もう戦争の行方はアメリカの勝利は疑いようもなく、日本はアメリカに獲られちゃったなぁと思っていたのに、
ルーズベルトは日本の徹底抗戦の長期化を過大に恐れていたのでスターリンに日本を背後から攻めて欲しいと要請し、
しめたと思ったスターリンが
「不可侵条約があるから嫌だよ」と断るふりをしてアメリカから好条件を引き出そうと企み、
結果、ルーズベルトが、
「そんじゃぁ、北方領土(2島)をあげるから、それで勘弁してくれ」
と言ったので、日本を攻めたのだ。
なので、アメリカの意向が無ければ決して北方領土返還などは、無い。
ソ連(現ロシア)との二国間では、解決しないのだ。
ロシアが何を言ってきても、それは日本から何か好条件を引き出そうとしているだけで、
返すつもりなどはじめから、無い。
国連とは、その訳し方が間違いで、
ユナイテッド・ネイションズとは第二次世界大戦時の「連合国」を指し、
そんなものに日本が期待するのも、そもそも無理なのだ。
日本は、敵国なのです。
日本はアメリカの軍事占領のおかげで経済発展のみに狙いを絞れたので金は溜まっただけで、
本来なら軍事力を増強する為に、北朝鮮やイスラエルと同じように、
軍事費の為にヘトヘトになっていたはずなのだ。
アメリカの意向は、既に実力上世界の意向と同じなので、
アメリカが日本に何か理不尽なことをしても、世界は黙認します。
但し、「契約」は、絶対に守ります。
それが、アメリカ国家を成り立たせている根本的な原理だからです。
といったことが、この本を読んで受け取った感想です。
日本の基礎教育は、近代史を教えないので、
勉強は自分でするしかない。
ってか、現代を理解する為には、歴史を今現在から遡る方向で学ばなければ机上の空論にすぎないので、
日本の歴史教育は、全て無意味に近いと、俺には思えます。
=======おしまい=======